骨粗鬆症・その他
骨粗鬆症・その他
骨粗鬆症は、高齢社会と共に非常に患者数が増えている疾患で、現在の国内の患者数は女性が980万人、男性が300万人と言われ、現在も増加しております。特に女性は女性ホルモンが閉経後に減少することで骨粗鬆症になることが非常に多いです。直接命にかかわる病気ではありませんが、骨密度が低いと骨が折れやすく、特に腰と股関節と手首の骨折が骨脆弱性骨折として起こりやすいです。
腰や股関節の骨折を来すと歩行の状態が低下したり、肺炎や認知機能低下を引き起こして死亡率が上昇するという報告もあり、健康寿命を延ばすためには予防が非常に大切になります。現在は非常に多くの薬が使用できるようになっており、国内で使用できる骨粗鬆症薬は40種類以上です。
当院では世界標準となっているデキサ法で正確に骨密度を測定することができ、予約不要で数分で測定し診断することが可能です。骨粗鬆症の治療は骨密度の数字に一喜一憂する必要はありませんが、骨折を予防することが非常に大切で、病態や治療方法などをしっかりと理解したうえで向き合っていくことが大切です。
当院には骨粗鬆症に対する治療経験が豊富な医師や、骨粗鬆症による骨脆弱性骨折で最も頻度の高い腰椎圧迫骨折を専門とする脊椎専門医も在籍しておりますので、お困りの方はぜひお気軽にご相談ください。
頚椎、胸椎、腰椎のすべての脊椎で骨が上下方向に潰れてしまう骨折です。アメリカでは20秒に1回発生しているとの報告もあり、日本でもすべての骨折のなかで一番頻度の高い骨折です。
圧迫骨折は骨が脆いことが原因で発生する骨折骨脆弱性骨折の代表で、圧迫骨折の危険な点は、転んだり外傷がなくても発生する点です。骨折の治療としては、基本的には手術をしないで自然と骨がついてくれる(骨癒合)することが80~90%ですので、安静とコルセットで治癒が期待できます。
しかし、なかなか骨が癒合しない場合や、痛みが強い場合にはコルセットに加えて骨粗鬆症治療薬で開始することもあります。圧迫骨折は一度起こると隣の骨折の骨折してしまう隣接椎体骨折や続発性骨折も20~30%と多いので、しっかりと治療することが大切です。
圧迫骨折のもう一つの難しい点は、治療の方法です。基本的には安静とコルセット、酷い場合は骨粗鬆症治療薬で治ることが多いですが、痛みが長く続く場合や神経に折れた骨がぶつかり神経症状が出現した場合には手術が必要になります。実際に手術が必要かどうかや、どのような手術方法が良いかは、脊椎専門医のなかでも議論が分かれることも多いです。
手術方法は折れた背骨にセメントを入れる30分ほどで終わる椎体形成術から、4本~10本ほどネジを入れて背骨を固定する後方固定術などがあります。圧迫骨折について不安な方や、痛みが長く続いている場合や、手術を検討している方はお気軽に当院へご相談ください。
圧迫骨折は繰り返し発生し、寝たきりや肺炎で死亡するリスクもある疾患ですので、一度しっかりと骨密度検査をし、現在の骨の状態を把握したうえで、適切な治療や予防を行うことが必要です。当院には手術も行える脊椎専門医がおりますので、お困りの方はお気軽にご受診ください。
股関節痛は頻度は低いですが、痛みが強く歩くことができなくなり、日常生活に支障を来すことがある疾患です。股関節は大きな関節なので、股関節ではなく膝や腰のあたりの痛みを訴える患者さんもいらっしゃいます。
特によく見られるのは、股関節の形状が幼少期の頃からやや適合が悪く、中年頃から股関節痛が酷くなる変形性股関節症です。有効な保存治療が少ないですが、人工股関節で治療をすることができ、非常に満足度が高い手術方法です。
当院では人工関節の手術は行っておりませんが、近隣の医療機関との関係性が深いため、人工股関節を行える医療機関へ紹介することが可能です。
女性に多く発症する病気です。初期には関節の痛みを伴い、次第に色々な関節の腫れや変形、動きの制限が生じてきます。朝、指を曲げ伸ばしたときに、こわばりが起こることも特徴です。しばしば貧血や微熱などの全身症状も起こります。
ひと昔前は治療が難しかったですが、最近では治療薬が進歩しており、様々な治療の選択肢がでてきました。リハビリテーション治療はリウマチの時期によって異なります。痛みが強いときは、そのコントロールと局所の安静を図ります。痛みが落ち着くと関節の運動や筋力増強訓練などを行います。
歩行訓練や日常生活のための訓練も行います。食事・着替え・入浴など、手助けとなる道具(自助具)を用いて日常生活動作ができるようにします。家事動作などの生活の工夫も必要です。
痛風とは、尿酸(プリン体の体内で代謝されたもの)が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎症状を生じる病気です。痛風の発作が起きる背景として、「高尿酸血症」(血液の尿酸値が高い状態)があります。
この高尿酸血症の状態が長期間放置されると、ある日突然に足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出します。痛みは激烈で耐えがたい痛みです。(風が吹いても痛いと言われます。)多くは7〜10日間程度で自然に軽快しますが、炎症を抑える薬を服用することにより比較的早く痛みが改善します。
1年以内に同様の発作が起こることが多く、発作を繰り返しているうちに、足首や膝の関節まで腫れることがあり、発作の間隔も次第に短くなっていきます。
再生医療は、誰もが生まれながらにして持っている「自然治癒力」を利用した治療法です。その中で、すでに実際の治療に使われているものにPRP(多血小板血漿)療法があります。PRP(多血小板血漿)療法とは、自分の血液中に含まれる血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用し、私たちに本来備わっている「治る力」を高め、治癒を目指す再生医療です。
もともとは皮膚科の難治性皮膚潰瘍や褥瘡(床ずれ)、やけど、糖尿病の人の壊疽、歯科の歯槽骨や歯肉の再生促進に使われてきました。
血小板には、止血作用とともに、成長因子を放出して損傷部分を修復する働きがあります。血小板が放出する成長因子には、細胞増殖や血管の形成などに役立つものが数種類あります。それらが損傷部位に直接働きかけて細胞増殖を促進し、修復機能を高め、自然治癒力によってケガや病気を治療します。
PRP療法は、これ以上分化して別の組織になることがない血液中の血球成分を、培養することなくそのまま使うため、安全性の高い再生治療だと言われています。
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