運動器リハビリテーション
運動器リハビリテーション
リハビリを必要と患者さんは非常に多く、リハビリは長期にわたり継続して行うこと必要があり、大学病院などの大規模な病院で行うことは難しく、当院のようなクリニックの役割が非常に大きい領域です。当院では特にリハビリに力を入れて取り組んでおります。
痛い場所、病気の経過、年齢、手術の有無など、必要なリハビリは1人1人違いますので、当院では理学療法士の資格をもったスタッフがマンツーマンで完全予約制で1人1人に合わせた理学療法を行います。
腰痛や関節痛でお困りの方に対して効果的な運動や自宅で出来る運動などの指導も行えます。また骨折の手術や人工関節、脊椎などの手術を行い、術後のリハビリが必要な方に対しても可動域訓練や筋力訓練も行うことができます。
物理療法は、痛い場所を温めたり、電気を当てたりすることにより治療を行う医療機器を利用したリハビリになります。マンツーマンで行う理学療法とは異なり、予約は不要でご自身に合った時間に気軽に利用することができます。当院は40年以上の歴史があるため多くの物理療法の機器を揃えております。
ホットパック、レーザー、SSP、キセノン、ピクトロン、ステモア、ウォーターベッド、牽引、パラフィン浴など、非常に充実した設備を備えております。
「運動器」とは、動くことに関わる骨や筋肉、関節、神経などの総称です。運動器リハビリテーションは、病気や外傷で生じる様々な運動器の機能障害を回復し、残存した障害を克服しながら社会復帰を総合的に提供します。リハビリテーション医が診察を行い、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)といったリハビリテーション専門職が指示に基づき訓練などを行っていきます。
コルセットやサポーターなどを用いたリハビリテーションが装具療法です。義肢の装着も装具療法の一つです。
作業療法の「作業」とは、食事、入浴、家事や仕事、趣味活動など人が関わる諸活動を指します。作業療法士は、身体的、精神的に障害のある方がご自身で生活ができるようになるよう、これらの日常動作や仕事での動作などに焦点を当ててリハビリテーションを行います。歩行などの基本的動作を扱う理学療法に対し、作業療法は日常生活動作や仕事などの社会参加に向けた動作を扱います。
日常生活動作の練習…食事やトイレ、着替え、整容(洗顔や歯磨きなど)、入浴動作
応用動作の練習…手芸や工作、仕事などでの作業
運動器リハビリテーションは、様々な整形外科疾患が対象となります。最も頻度が高い症状は肩こり・腰痛で、骨折、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性膝関節症、脊椎疾患、スポーツ障害など運動器の機能低下が認められる場合に行われます。
以下は運動器リハビリテーションの対象となる主な症状と疾患です。気になる症状やお悩みがありましたら気軽にご相談ください。
主な症状 | 主な疾患 |
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首や肩が痛む | 肩こり、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性脊髄症、肩関節周囲炎(五十肩)、腱板断裂など |
腕が上がらない | 腱板損傷、腱板断裂、頸椎神経根麻痺など |
手のしびれ | 手根管症候群、肘部管症候群、頸椎症性脊髄症など |
足のしびれ | 腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなど |
腰が痛む | 慢性腰痛、変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、仙腸関節障害など |
歩くと膝が痛む | 変形性膝関節症、半月板損傷、特発性大腿骨内顆骨壊死など |
体が動かしにくい | 外傷後関節拘縮、頸椎症性脊髄症、廃用性筋委縮など |
体を動かすと痛みがはしる | 腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎症性神経根症など |
外傷後、関節や筋肉が動かしにくくなった | 関節拘縮、廃用性筋委縮、複合性局所疼痛症候群など |
手術後、関節が動かしにくい、痛む | 術後関節拘縮、廃用性筋委縮、複合性局所疼痛症候群など |
スポーツ活動に早く復帰したい | スポーツ障害、競技に応じたリハビリテーションを行います |
消炎鎮痛剤の内服、肩への注射が有効です。急性期を過ぎてからはホットパックなどの温熱療法、また拘縮(こうしゅく)予防や筋肉を強化するための運動療法を行います。
リハビリテーションでは、痛みを避けながら筋力強化を行うことが重要です。ゆるやかな振り子運動から関節を動かす運動を始めます。肩甲骨の動きの改善なども有効です。
骨粗鬆症があるご高齢の方によくみられる足の付け根(股)の骨折です。転倒することで発生することが多く、手術が必要な場合がほとんどです。
要介護状態に陥りやすい骨折であり、術後はできるだけ早期から離床するためにリハビリテーション治療が不可欠となります。深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)や、再度の転倒などに注意しながら進めます。
リハビリテーション治療では、痛みの緩和を目的とした温熱・寒冷療法などの物理療法、関節に痛みを出さない状態での筋力強化訓練などの運動療法、装具による関節保護などを行います。
慢性疾患ですので、関節症状を悪化させないための生活指導や自主トレーニング指導が必要となります。
一度の外力で生じるけがではなく、スポーツ中の繰り返し動作で生じることが多く、予防やコントロールが重要となります。また、一旦発症すると、症状が長引くことが多く、スポーツの継続・復帰のためにリハビリテーションやリハビリ機器を用いた治療が必要になることもあります。
脊髄を損傷すると手足の麻痺を生じたり、内臓が正常に働かなくなったりします。交通事故や高所転落、転倒といった外傷性のものが多いですが、血行障害や腫瘍など、非外傷性の原因もあります。
現在の医療では、脊髄損傷を元に戻すことは困難です。脊髄損傷の受傷前の状態に戻すということではなく、今後の生活の自立度を上げるために身体を作り上げていくことがリハビリテーションの目標になります。
者さんの主訴としてよくみられる「腰痛」は、多くは、腰椎に負担がかかることで発症しますが、様々な病気が背景になってることもあります。成長に伴って起こるもの(側弯症、腰椎分離症、先天異常など)、加齢によって起こるもの(椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、変性すべり症など)、腰椎の骨折や脱臼などの外傷、感染や炎症によるもの(カリエスや化膿性脊椎炎など)、転移癌などの腫瘍によるものなどがあります。
精神的ストレスが原因となっていることもあります。安静にしていても痛みが軽くならない、あるいは悪化する、発熱がある、足がしびれたり力が入らなかったりなどの症状を伴っている場合は、放置せず、まずは専門の医療機関を受診することが大切です。
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